2021/03/14 18:16

白柳ネーブルの歴史は古く、昭和7年以に静岡三ケ日町で加茂吾郎氏の農園で栽培されていたワシントンネーブルの中に大玉が出来る枝変わりを発見したのが最初です。

第二次世界大戦で原木が伐られ絶滅の危機を救ったのが加茂氏から枝を譲り受けていた白柳辰雄氏。接木をして育成し栽培が広まっていきました。名前の由来は白柳氏の功績をたたえたものです。
当時の国産柑橘類と言えば温州みかんやハッサク、夏みかんなどが多く、アメリカから輸入されるオレンジは美味しいですが高価で憧れの品。ジューシーで甘いネーブルオレンジの国産物は大人気となりました。
今でこそ外皮が剥きやすいデコポンやせとかなどに人気が奪われてしまいましたが、高度経済成長期の冬の贈り物として爆発的に売れ、白柳ネーブルという名が全国に知れ渡りました。
現在は栽培量が減り量販店などで見かける機会もほとんどない国産ネーブルですが、甘くてジューシーなのは今も変わりません。ナイフで切って食べるならネーブルが一番かもしれません。
また輸入のオレンジは防カビ剤が使われていますが、国産ネーブルは不使用なので安全安心で外皮を料理に使うこともできます。
年々栽培量が減っていますので数年後には流通が止まるかもしれません。ご年配の方には懐かしさを、若い方には斬新な国産オレンジとして今のうちに食べておいていただきたい逸品をご紹介いたしまいた。